単衣(ひとえ)の着物とは、裏地がない着物のことを言います。

単衣といえば、着る季節は春と秋。

しかしこれは絹の着物についてのことであって、ウールや木綿の着物となると、季節に関係なく単衣ということも多いものです。

ウールや木綿はお手入れもしやすく家庭で洗濯できるので、日常着としてとても扱いやすい着物です。

色や柄は、伝統的な雰囲気のものがあるのはもちろんですが、若手の作家や着物メーカーが作る現代的でおしゃれなものもあります。

ウールや木綿と言えど、素朴な雰囲気から一歩進んで、スタイリッシュに着こなすことも可能なのです。

反物から誂えると、マイサイズの着物となりますが、着物専門店で仕立て上りの状態(プレタ)で購入することもできます。

 

ところで、プレタの着物を購入するときは、裄(ゆき・背中心から袖口までの寸法)が合っているものを選ぶと、ご自分のサイズに近いものになります。

ところが、裄を合わせても、場合によっては着物の丈が思った以上に長いことがあります。

これはプレタの着物にはよくあることで、おそらく着物メーカーが、あらゆる体格の人に着てもらえるような寸法を設定しているからだと思います。

着付け初心者の人にとっては、おはしょりが長めになってしまうなど、気になることもあるかもしれません。

しかし単衣の着物の場合、丈が長いというのは、考えようによってはとても理にかなっているとも言えます。

その理由はこうです。

着物は何度も繰り返し着ていると、必ずどこかが傷んできます。

着物の裾は、足や履物にあたって擦り切れやすいところです。

この擦り切れを修繕するには、単衣の着物の場合は、裾の傷んだ部分をカットし、三つ折りにしてかがります。

つまり、元の寸法よりも丈が短くなるのです。

丈の長さに余裕があると、このような修繕も心配なくできます。

長い目で見ると、丈が長めでよかった、ということになるでしょう。

ちなみに、袷(あわせ・裏地がある着物)の場合、擦り切れるのは裏地なので、修繕の方法が異なります。そのことについてはまた別の機会に。

 

理想的なサイズとは寸法が多少違っていても、着付けの技術によって問題なく着ることができるのが着物の良いところです。

そんな着物をきれいに着るコツを知りたいと思ったら、どうぞ私の着付教室にいらしてください。