雨の日に備えて
日本は一年を通して気候に変化があり、お天気も安定した晴れの日ばかりとは限りません。
着物を着なければならない日、雨が降ることだってあり得ます。
気軽なお出かけなら、着物を着るのを諦めて洋服で、という選択もできるでしょうが、成人式や入学式、卒業式、結婚式など、フォーマルシーンではどうしても着物でなければならないという場合もあると思います。
当日、お天気が良くなることを願いながら、一方で、雨に備えて準備しておきましょう。
とりあえず揃えておくべき3点セット
雨のときの備えといえば傘がまず思い浮かびますが、着物で出かける場合は傘以外に用意しておいて欲しいものがあります。
草履カバー、足袋カバー、そして雨用のコートです。
草履カバーは、草履にかぶせて水の侵入を防ぐものです。着物専門店で手に入ります。お手持ちの草履のサイズに合ったものを選びましょう。
足袋カバーは、足袋が濡れるのを防ぐために、足袋の上に重ねて履きます。目的地に着いたらはずします。
雨用のコートは、写真のものは「レインコートの着物版」といった感じの市販品です。
市販のコートについては、ワンピース型と二部式のものがあります。
雨から着物を守るためには、コートで着物の裾まで覆ってしまわなければなりません。そのため、コートの丈は購入のときの重要なポイントとなってきます。
二部式のコートは、丈の短いコートと裾除けで構成されています。裾除けで長さを調整できるので便利です。
ワンピース型のコートは、短すぎるものは避けたほうが無難でしょう。逆に丈が長すぎるものは、着た後で腰紐等を使って長さを調整する必要があります。
寸法を確認して、ジャストサイズに近いものを選びましょう。
以上の3点を用意しておくと、少々の雨には対応できるので、ひとまず安心です。
自転車用のレインポンチョを代用しても
雨用のコートの代わりに、自転車用のレインポンチョも便利です。
体を覆っている部分に余裕があるため、帯をお太鼓や変わり結びにしている場合でも、その部分をふんわり包んでくれます。
ただ、下半身は覆われていないため、裾除けに代わるものを用意する必要があります。しかしこれも、大判のストールや風呂敷などで代用できます。
余裕があれば雨用草履とマイサイズの雨コートを
時間と予算に余裕があれば、雨の日専用の草履をお勧めします。
写真の草履はウレタン底で、つま先にカバーが付いているもの。ウレタン底は水の侵入の心配がありません。
草履カバーも良いですが、やはり使うごとに傷んでくるもの。着物で出かける機会が頻繁にあるなら、雨専用の草履を持っておかれてはいかがでしょうか。
雨コートについては、着物専門店に依頼して仕立てます。着る人にぴったりなサイズに誂えることができます。ジャストサイズのものは、着るときに手間がかかりません。
傘について
傘は、なるべく大きいサイズのものを使用されることをお勧めします。
コートを着て、足元も万全な対策をしていても、雨にはやはり濡れたくないですよね。
特に着物は洋服と違って、袖やお太鼓のふくらみがあることで普段以上に気を遣わなければなりません。大きめの傘で、しっかり防御しましょう。